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2023.04.24 U Blog

映画鑑賞

少し前に、「ロストケア」という映画を観てきました。

介護殺人―自分の父親を含めて42名を殺していたという「犯人」と、対峙する「検事」の心の動きの部分がクローズアップされた映画でしたが、私にとっては、永遠に解決しない宿題を突き付けられたような、後味の悪い映画でした。

作品内容、演者の皆さんに対しては、素晴らしい!の一言で、特に、息子に殺されてしまう父親を演じた「柄本明」さんの演技は、思わず涙がこぼれるほどの感動を覚えたほどです。しかし、それだから故に、一層、もやもや、悶々としてしまう…犯人役の松山ケンイチさんが、検事役の長澤まさみさんに問う「1ヶ月いや1週間でいいから、介護を経験してみたらどうですか。あなたみたいに安全地帯からきれいごとを並べる人間が、穴の底を這う人間を余計に苦しめるのです」という言葉。介護制度を机上で作ったり、議論している人たちこそ、しっかり聴いてほしい言葉だと思いました。

この映画は10年の歳月をかけて作り上げたものだそうですが、全くそんな古さは感じない。それはつまり、10年経っても、介護の状況は変っていないということです。このままいくと、この先10年経っても20年経っても、変らないどころかどんどんひどいことになっていくのではないかと憂いてしまいました。

曲がりなりにも、介護業界に関わる一人として、また、近い将来、要介護となる親をみている子として、分かっているのに見て見ぬふりをしてきたものを、直視しろと言われたようで、叱られたようで…本当に考えさせられる映画でした。

もうすぐゴールデンウィークです。

ロストケアまだ上映してるかなぁ…皆さんも是非ご覧あれ。何かが刺さる映画ですよ。

ユウ☆